生活リズムを保って

医者

医療制度が利用できる

若年層の女性に増加しているうつ病が、非定型うつ病です。激しく気分が変動したり、楽しいことや嬉しいことがあると抑うつ気分が晴れたりと、大うつ病性障害と違う症状が出ます。また、夕方から気持ちが落ち込み出す人が多く、食欲や睡眠時間が増えることもよくあります。他人からの反応に過敏になり、パニック発作を起こす人も少なくありません。大うつ病性障害よりも症状が分かりにくいですが、通常よりも気分の波が激しいと感じたら、精神科などを受診したいところです。非定型うつ病の治療は、投薬とカウンセリングが基本です。薬は抗うつ薬や安定剤、抗不安薬が個々に合わせて処方されます。ただ、大うつ病性障害に効果的な薬が同じように効くわけではないため、カウンセリングが重要な役割を担っています。カウンセリングで主に行われるのは認知行動療法です。非定型うつ病に罹りやすい性格の特徴として、温和で自分より他人を尊重して譲る傾向が挙げられます。その均衡が崩れると病気を発症するので、認知行動療法にて自己主張する練習を行います。普段気持ちが落ち込んだときに何があったのかを書きとめ、考え方のクセを理解し、修正していくという練習です。そして、大うつ病性障害では仕事を休むなどして休養するのが重視されますが、非定型うつ病では仕事や家事を通常通り行うことが重視されます。過眠や過食で乱れた体内リズムを取り戻すのが大事なので、小さな目標を立てて一つずつ家事や仕事をこなすようにします。食事は1日3食を守り、朝起きたときは朝日を浴びるのが効果的です。非定型うつ病に限らず、うつ病の原因は明確になっていないため、基本は対症療法です。根治は難しいので、ある研究では完全に回復する人は全体の4割にも満たないという結果が出ています。ただしこれは様々なうつ病を一まとめにして出したデータであり、非定型うつ病のみの研究結果は出ていません。しかし、非定型うつ病の治療での認知行動療法においては、開始から3ヵ月後には効果が見え始め、7割の患者に改善が見られたという報告があります。ですから、治療開始から3ヶ月経つと楽になっていく人がいるということです。完全に良くなる状態になるまでにはもう少し時間が必要でしょうが、意外に早く楽になれるかもしれません。薬の中でも、抗うつ薬は非定型うつ病への効果が低いと言われています。これは、セロトニン神経の機能が下がっている人は少ないからです。そのため、薬物療法より認知行動療法を重視する医療機関を選ぶと回復が早いかもしれません。非定型うつ病の治療は保険が適用されるものの、治療機関が明確にならないため、費用に不安を覚える人は少なくないです。医療費の支払いが厳しい場合は自立支援医療制度を利用して、1割負担に軽減したりひと月に支払う医療費に上限を設けたりできます。なお、認知行動療法で保険が利くのは16回目までです。多くの人が5回目のセッションで考え方のクセに気付いて楽になると言います。でも即効性には欠けるので、早い効果を求める人は自費診療の心理療法を受けるのも一案です。海外で高い効果が出ている療法を行っているクリニックもあるため、早くに改善できれば医療費を抑えられる可能性があります。